コンテンツを使ってユーザーを魅了することで、ロイヤルな顧客へと変える。コンテンツマーケティングは、とてもシンプルな考え方が基本になっているのですが、コンテンツを作り出し、それを継続することが、実は何よりも難しいことです。

コンテンツマーケティングを含むデジタルマーケティングの世界では、海外で生まれたメソッドが、少し遅れて日本でも注目される、という流れになることが多くなっています。来るトレンドを逃さないためには、海外のコンテンツマーケティングを知ることが重要といえます。今回は海外コンテンツマーケティングについて、興味深い実例をいくつかご紹介したいと思います。

海外におけるコンテンツマーケティングの事例

コンテンツマーケティングで使うメディアは様々です。複数のメディアの事例を知ってければ、自社の戦略にも活かしやすいでしょう。

ブログ

ブログは、コンテンツマーケティングの基本ともいえます。しかし、具体的な活用方法としては多くの可能性を秘めています。

Buffer

ソーシャルメディア管理ツールとして知られているBuffer。複数のソーシャルメディアアカウントを、一つのコントロールパネルから投稿、管理することが可能なプラットフォームです。

Bufferは、ビジネスの初期の成長を達成するため、インフルエンサーを集めることに力を注ぎました。すでにネット上でのプレゼンスを得ているブロガーやインフルエンサーたちに向けて、自社ブログ上で、製品やソーシャルメディアに関連した、質の高い、シェアすることの可能なコンテンツを提供しました。

Bufferでは現在、4つのブログを運営していますが、その中には関連する業界において著名なインフルエンサーが記事を執筆するものも含まれています。このような戦略は「ゲストブロギング」と呼ばれます。Bufferでは、インフルエンサーを集め、そして彼らに記事を書いてもらうことで、初期の集客をブーストすることに成功しました。インフルエンサーによる優れた記事は、emailマーケティングにも利用され、新たな顧客獲得にも役立っています

Rip Curl

オーストラリア発祥のブランド「Rip Curl」。日本でもおなじみの、サーフィン関連総合ブランドですが、このRip Curlもブログを利用したコンテンツマーケティングで成功を収めています。

Rip Curlでは「THE SEARCH」というブログ形式のメディアを立ち上げ、「波」やサーファーとしての「ライフスタイル」などについて、動画や画像、ストーリーを交えて語り合う、サーファーたちが情報を共有できる場所にしました。YouTubeやFacebookとも連携し、現在ではFacebookのフォロワーはすでに200万超。Rip Curlのブランディング戦略に欠かせないメディアになっています。

ソーシャルメディア

ソーシャルメディア自体は、SEOに影響を与えることは少ないとされています。しかし、記事が幅広くシェアされることでトラフィックが増大し、間接的にいい影響を与えると考えられています。

GE

世界でも有数の巨大企業GE(General Electric)は、ソーシャルメディアを利用したコンテンツマーケティングを成功させた企業の一つです。GEは家電から飛行機のエンジン、原発まで製造している会社です。GEは、マーケティング戦略としてInstagramを活用したキャンペーンを行います。GEは、すでに関連分野において名前の知られていた複数のインフルエンサーやファンを工場に招き、臨場感あふれる画像や動画を、#GEInstaWalkのハッシュタグを付けて投稿してもらいました。

このキャンペーンで、GEのInstagramアカウントは800万ビューを達成。広告等のペイドメディアを一切利用しないキャンペーンにより、GEは企業イメージを「エキサイティング」なものにしたのです。

動画

今日、YouTubeなどの動画サイトは日常的に利用されています。YouTuberなる言葉が生まれていることからも分かるとおり、動画を利用したコンテンツマーケティングは、これからも注目したい手法です。

Blendtec

Blendtecは、その名前からも想像できるように、ブレンダーを製造する会社です。この会社は、動画によるコンテンツマーケティング活用に成功した実績を持っています。

「それは混じるのか?」

「それが問題です」

というキャッチフレーズで始まる、何でも「ブレンド」してしまおうという、破天荒でコミカルな動画シリーズはすぐに注目を集め、当初の3年間でブレンダーの売り上げは700%増を記録。BlendtecのYouTubeチャンネルには現在、87万以上のユーザーが登録しています。

デジタルの時代以前の海外コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングは、デジタルの時代が到来してから始まったものではありません。コンテンツマーケティングが最初に行われたのは、19世紀後半のことだと考えられています。そして、初期のコンテンツマーケティングの実例としてよく紹介されるのが、アメリカの農耕機具メーカー「John Deere」による農民向けの情報誌「The Furrow」です。

アメリカの広大な農地で働き続ける巨大なトラクター。それがJohn Deereの主力製品ですが、情報誌を発行することで、穀物栽培や農家経営に関するノウハウを提供し、アメリカでは大型トラクターの代名詞になるほど、業界における唯一無二の存在になりました。

100年以上前に雑誌として始まったThe Furrowは、現在も存在しています。ブログ形式のメディアとして、顧客の役に立つ情報を提供し続けているのです。

今回は、海外コンテンツマーケティングの事例についてご紹介しました。海外で行われているコンテンツマーケティングで現在、トレンドとされているのは、ユーザーとともに作る「Co-creation(コクリエーション)」型のマーケティングメソッドで、ご紹介した事例の中にもこのタイプがあります。ブログやSNSを通じて顧客のためになる情報を提供し、ユーザー参加型でコンテンツを作成するスタイルは、日本におけるコンテンツマーケティングにも、今後ますます取り入れられていくことでしょう。