コンテンツマーケティングは、近年注目されているウェブマーケティング手法です。広告など、直接商品を売り込む手法と異なり、ユーザーにとって有益なコンテンツを発信して見込み客を獲得し、その見込み客を育成して成約につなげるのがコンテンツマーケティングの特徴で、成功すればリピーターの獲得も可能です。 そんな注目の手法を、自社でも取り入れたいと思っている方は少なくないでしょう。しかし、具体的にどのような戦略を立てればよいのか分からない方もいるのではないでしょうか。今回はコンテンツマーケティングの事例をご紹介します。自社と共通点をもつ企業の事例があればぜひチェックしてみてください。

株式会社キーエンス

株式会社キーエンスは、自動制御機器や計測機器などを取り扱う製造販売企業です。この企業のコンテンツマーケティングでは、「バーコード講座」というサイトを利用しています。バーコード講座は、バーコードに関する様々な情報を発信するサイトで、仕組み、種類、技術、使用例などを解説しています。

大きなポイントは、テーマをバーコードに絞っていること、そして請求できる資料にバーコードの教科書といったものも含まれていることです。取り扱う製品が多い企業ですが、テーマを1種類に絞ることで、誰のためのコンテンツかを分かりやすくしています。また、請求できる資料に、製品カタログだけでなくユーザーの知識欲を満たす資料を含めることで、成約をあせらずに見込み客を育てる姿勢がみられます。


バーコード講座
https://www.keyence.co.jp/ss/products/autoid/codereader/

ガシー・レンカー・ジャパン株式会社

ガシー・レンカー・ジャパン株式会社は、プロアクティブなどで有名な、アメリカを拠点とする化粧品販売会社です。TVCMのイメージが強い企業ですが、「ニキペディア」というオウンドメディアをもち、ニキビに関する幅広いテーマで情報発信をして、コンテンツマーケティングをおこなっています。

ニキビの対策・ケアやニキビ跡についてなど、潜在顧客が悩みがちなテーマで細かくカテゴリを分けているのもポイントのひとつですが、取材やインタビュー記事を作成したり、記事にテキストや画像だけでなく動画も含めたりと、独自性のあるコンテンツを作ってユーザーを飽きさせない工夫がみられるのも、このメディアの特徴です。


ニキペディア https://nikipedia.jp/

サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社は、業務改善サービスやソフトウェア開発をおこなう企業で、「サイボウズ式」というメディアでのコンテンツマーケティングが近年注目を集めています。 サイボウズ式の大きな特徴は、コンテンツのカテゴリとして「家族と仕事」「働き方・生き方」など多くの人に役立つテーマが採用されており、商品の売り込みよりも、潜在顧客の獲得やブランディングの色合いが強い点です。

まずはユーザーに有益な情報を配信し、メディアのファンになってもらうことで、企業の認知にもつなげる意図がみられます。 もちろん、コンテンツがつまらないものでは、そもそもメディアへの関心を持ってもらえません。その点サイボウズ式では、インタビュー記事や漫画を取り入れた記事など、コンテンツの独自性も確保しています。


サイボウズ式 https://cybozushiki.cybozu.co.jp/

株式会社リクルート住まいカンパニー

株式会社リクルート住まいカンパニーは、不動産・住宅情報サイトの「SUUMO」を運営する企業です。TVCMなどでも名前を聞くサイトですが、ウェブ上でも「SUUMOジャーナル」というメディアを利用してコンテンツマーケティングをおこなっています。SUUMOジャーナルで取り扱うコンテンツでは、不動産の購入、賃貸、リフォームなどサービスに関連が深いテーマから、地域や街について、また住まいの雑学など周辺テーマまで広く扱われます。

実は、SUUMOジャーナルだけでなく、SUUMOの方でもお役立ち情報の配信はおこなわれているのですが、こちらは不動産・住宅情報を探しているユーザーへの豆知識的な色合いが強いコンテンツとなっています。一方、SUUMOジャーナルの記事は、住宅ジャーナリストなどによって書かれたもので、ひとつの読み物として成立しているコンテンツです。

このように、コンテンツマーケティング用のメディアでは、一般的なサイトによくある単純なお役立ち情報以上のコンテンツを配信することで、ユーザーの関心を高め、定着を狙うことができます。特に不動産のような、成約までの検討期間が長いサービスでは、できる限り定着率を上げることが重要といえるでしょう。


SUUMOジャーナル
http://suumo.jp/journal/

株式会社クラシコム

株式会社クラシコムは、日用品やインテリア商品など、暮らしに関する商品を「北欧、暮らしの道具店」というサイトで販売している企業です。このサイトにおけるコンテンツマーケティングは、ECの成功事例として近年注目されています。 配信されているコンテンツには、読み物として楽しめる記事もありますが、商品紹介をしている記事も多いのが特徴です。しかし、商品の価格や特徴を並べるような紹介の仕方ではなく、魅力やおすすめの使い方を、複数の写真を交えながら丁寧な文章で伝えており、商品を押し付けている感じがしないのがポイントです。

また、紹介記事の最後には、スタッフの方による愛用コラムやインタビュー記事へのリンクも設置されています。それらの記事でも売り込みの雰囲気が薄いので、第三者のレビューを見ているような感覚になります。 この事例から、コンテンツマーケティングにおいて、必ずしも商品紹介をするのが悪いわけではなく、文章のトーンや書き方を考えたり、写真などで視覚的に商品のイメージを伝えるなど、紹介方法を工夫することで見込み客の獲得施策となりえると理解することができます。


北欧、暮らしの道具店
https://hokuohkurashi.com/

ライフネット生命保険株式会社

ライフネット生命保険株式会社は、インターネット申し込みができる保険会社で、「ライフネットジャーナル オンライン」というメディアにおいてコンテンツマーケティングをおこなっています。このメディアは、もともと広報誌だった「ライフネットジャーナル」と、別途発信していたブログなどが統一される形でできたものです。

保険会社のメディアですが、扱うコンテンツのカテゴリには人生、仕事、お金、教養など、保険以外のものが多く、マーケティングの目的はまずブランディング重視であるといえます。保険は誰にでもすぐにニーズがあるわけでなく、人によって必要と考えるタイミングに差があり、認知してもらうことの重要性の高いサービスであるため、ブランディング重視の戦略は理にかなっているといえます。 また、もともと広報誌であったものをオンライン化したという点は、参考になるポイントです。すでに一定の反響があったコンテンツをオンライン化すれば、0から作ったコンテンツよりも効果が期待しやすいですし、作成にかかる費用も抑えることができます。


ライフネットジャーナル オンライン
https://media.lifenet-seimei.co.jp/

今回は、コンテンツマーケティングのイメージを掴み、戦略立案の参考にできるよう、事例を6選でご紹介しました。共通点もありますが、それぞれのコンテンツには独自性がみられます。自社で参考にする場合も、アプローチの方法などは参考にしつつ、コンテンツの種類や取り扱うテーマなどで独自性を出せるとよいでしょう。