記事を外注する際に気になることの一つは、一定の品質の記事を納品してもらえるかどうかですが、評判のいいライターに外注するので細かいことは全部お任せでいいだろう、というやり方はおすすめできません。それでは、受注側はどんな文章が求められているのかを憶測して記事を作成することになります。大量の記事が納品されてから、互いの考えが食い違っていたことに気づくのでは遅過ぎるといえるでしょう。

記事の品質担保には、文章ルール「トンマナ」を作ることが重要です。今回は、そんなトンマナについて、知っておきたい情報をお伝えします。

記事作成に必要なトンマナ(トーン&マナー)とは

トンマナとは本来、広告デザインに統一感を持たせるために決めておくルールのことです。トーン&マナーの略で、トーンは調子、マナーは方法を指します。会社のWebサイト制作でもトンマナを設定し、画面のレイアウトや色遣い、文字のフォントなどを揃えるのが一般的です。

同様に、記事作成においても文の調子や言葉の表記の仕方を統一します。文体は大きく分けて2つで、「です・ます調」か「だ・である調」のどちらかです。言葉の表記ルールは多岐にわたりますが、「?」「!」が使用可能かどうかや、括弧の種類と使い分けをどうするかなどが挙げられます。

トンマナを決めておかないと、納品された記事がサイトのイメージにそぐわない、複数人に発注したが文体や表記が異なって統一感に欠ける、といった状況になりかねません。そして後から修正を依頼したり、自社で修正したりすることになり、時間と労力の浪費となる可能性もあります。

正しいトンマナの作り方〜記事の品質がワンランクアップ〜

トンマナが具体的で分かりやすいと、多くのライターが関わったコンテンツでも、統一感の取れた読みやすいものになります。下記、いくつかトンマナの例をとりあげ、その作り方を解説します。

文末表現

基本的には「です・ます調」か「だ・である調」から選びますが、さらに細かく指定することもできます。例えば、ややくだけた表現にしたいなら「・・・ですよね。」「・・・ます!」などを織り交ぜて、親しみやすい印象にするといった具合です。

また、堅い文章がいい場合でも程度に差があります。丁寧さを重視するのであれば「・・・おります。」「・・・ございます。」といった表現を指定することもできますし、逆に丁寧すぎる表現が合わない記事であれば、このような表現は使わないと指定することもできます。

表記方法

・英数字
英数字は様々なタイプの記事で使う機会が多いものです。半角全角のどちらにするか、1000は「1000」「1,000」どちらか、といったルールを作ります。

・記号
「!」「?」を含め、どのような記号を使用可にするかを決めます。許容するが多用は不可、といったルールもありえるでしょう。

・括弧
種類が多く、使い方も人それぞれです。どの括弧を使っていいか、用途も含めて指定しておきましょう。例えば、「」は強調に、『』は製品名に、()は付加的説明に使う、それ以外は不可、といった具合です。半角か全角かも指定します。

・環境依存文字
基本的には不可と明示したほうがよいでしょう。万が一使用されると文字化けしかねません。

・アルファベットかカタカナ
会社名やブランド名を、アルファベット表記とカタカナ表記のどちらにするかのルールも必要です。記事の初出のみ「カタカナ表記(アルファベット表記)」とし、その後は単なるカタカナ表記とする、などと細かく決めることもできます。

・ひらがなか漢字
ひらがなと漢字どちらでも書ける言葉が記事に頻出しそうなら、どちらかに統一します。例えば「ください」か「下さい」、「とき」か「時」などです。

・自称や他称
「弊社」か「当社」、「私達」か「我々」など、自社に関する表現が記事によって異なると違和感があるので揃えましょう。「お客様」か「顧客」なども同様です。

構成と文字数

どの記事も同じスタイルにして読みやすくしたいときは、見出しの数や、タイトル・見出しの文字数を決めます。また場合によっては、各見出し内の文章(本文)の文字数も指定します。例えば、「導入文とまとめは200~300字ずつ」「その他の見出しはそれぞれ300~500字目安」などです。その他、大見出しの中に小見出しを付けてもいいか、改行の頻度はどの程度がいいか、といったルールも例として挙げられます。

SEO施策

マーケティングの観点から、SEOキーワードをタイトルや見出しに使うのが一般的です。本文中にも、キーワードや関連ワードを自然な範囲で含める方法もあります。ライターによってはSEOについての知識が十分でない可能性があるので、必要なルールは明記したほうがよいでしょう。

記事作成の禁止事項も決めておく

禁止事項については、どのコンテンツにも普遍的に当てはまるものもあれば、コンテンツの性質や目的によってNGにしたい事柄もあるでしょう。どんな点を考慮できるでしょうか。

まずは、サイトの炎上やイメージダウンを避けるために、一部の人々を不快にしかねない表現を禁止することが挙げられます。差別的な表現、根拠のない断定的表現などがこれに当たります。

また商材によっては、効果を断言する表現や誇張表現も禁止すべきです。そのとき、具体例を挙げるとさらに分かりやすくなります。「○○でシミが消える」はNG、「○○で日焼けによるシミを防ぐ」はOK、などです。また、「最高」「一番」「絶対」なども気を付けたい表現です。

そのほか、競合他社の製品やサービスを直接攻撃するような表現はしない、などのルールを設けることもできます。例えば「A社の○○とは違って当社の□□では・・・」といった表現です。また、他社に関する情報自体を言及不可とする方法もあるでしょう。

これらの禁止事項の中には、いちいち言わなくても発注先も承知のはずだと思える内容もあるかもしれません。しかし、そうではあっても明確に伝えたほうが強い意図が伝わり、より一層注意して避けてもらえるでしょう。

文章ルール「トンマナ」について、理解を深めていただけたでしょうか。文末表現、記号や言葉の表記方法、構成や文字数についてルールを作っておき、記事作成の際はそれを守って執筆すれば、サイト全体に統一感が生まれます。また、禁止事項の確認も必要です。文の体裁をいくら整えて読みやすくしても、内容的に問題があれば、発覚タイミングによってはプロジェクトに大きな影響を与えかねません。ライターに記事を外注する際には「トンマナ」を作成することで、最初から期待する品質の記事を納品してもらえるようにしましょう。