BtoBのオウンドメディアは、どんなコンテンツを作っていますか?
コンテンツには、サービス紹介、参考になるコラム、会社の時事ネタなどさまざまなネタがあります。特に立ち上げのときには、どのネタから作ればよいのか迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
サービスの紹介コンテンツの作成が済んでいて、追加で何を書こうか迷っているなら、ぜひ導入事例記事を作成してください。

オススメする理由を4つご紹介します。

  • 信憑性が上がる
  • 様々なところで繰り返し使える
  • 気づきを与えるきっかけになる
  • 費用対効果が高い

信憑性が高い

自社のサービスをどんなに持ち上げてよく書いたとしても、ただの自画自賛であっては信憑性が低いです。第三者の視点でサービスの良い点を説明してもらうことで、説得力のある記事になります。

さまざまなところで繰り返し使える

Webサイトに掲載するのはもちろん、メルマガやSNSなど、さまざまなところで活用できます。さらには、営業がお客様のところに持参する参考資料としても使えますし、展示会に参加するときには配布することもできます。
最近ではマーケティングオートメーション(MA)のツールが発達しているので、過去に問い合わせをしてくれた方に自動で新しい事例のURLを送ったり、資料請求後に特定のページを見ている人に興味のありそうな事例を送ったりすることもできます。

読者に気づきを与えるきっかけになる

サービスの必要性をまだはっきりとは認識していないお客様に、似た規模や同じ業種の事例を見てもらうことで、新しい使い方を発見してもらい、必要性を感じてもらうことができます。類似企業が導入しているものを読んでもらうことによって、お客様が自分事にしやすく、よい説得材料になるでしょう。

費用対効果が高い

さまざまな用途で活用ができ、オウンドメディアや営業プロセスでの成約率のアップに寄与するため、費用対効果が高いです。
BtoBサービスの導入プロセスにおいては、過去にどのような企業が導入をしたのか、実績を気にされるお客様が多いです。1社でもよいので有名企業にインタビューに答えていただいて記事化ができれば、何もないよりもはるかに営業がしやすくなります。
業界情報やノウハウなどをまとめたコラムなどで自社を権威付けするよりも、第三者的な視点での推薦をもらったほうが、はるかに簡単に良い会社ということを認識してもらえます。

事例が効果的なことを裏付ける理論

ハロー効果

ハロー効果(ハローこうか、英語: halo effect)とは社会心理学の用語で、ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のこと。
ハロー効果 - Wikipedia


「この会社が導入しているなら安心だ」と感じてもらえる可能性が高まります。

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果(バンドワゴンこうか、英: bandwagon effect)とは、ある選択肢を多数が選択している現象が、その選択肢を選択する者を更に増大させる効果。バンドワゴン効果 - Wikipedia


いろいろな会社が使っていると思うと、使ってみたくなる現象です。

ウィンザー効果

ウィンザー効果とは、本人から直接得た情報よりも、第三者経由の情報を優先してしまう効果のことです。
サービスを売っている会社が自分で伝えるよりも、第三者の口から好意的に語ってもらったほうが効果があるということです。

人は口コミを見て判断している

以下のグラフは、総務省|平成28年版 情報通信白書|情報資産(レビュー(口コミ)等)から引用した買い物をする際にレビューをどの程度参考にするかを表したデータです。どの世代でもオンライン上の口コミを気にしていることがわかります。ただし、若者のほうが気にする比率が高くなっています。


(出典)GDPに現れないICTの社会的厚生への貢献に関する調査研究

また、「まったく参考にしない」以外の人に、レビューを参照する際にチェックするポイントを聞いたものが以下のグラフです。


(出典)GDPに現れないICTの社会的厚生への貢献に関する調査研究

このデータで注目していただきたいのが、「情報の信頼度(一定数の人が実体験に基づき評価をしているか)」という項目がどの世代においても最も高いということです。つまり、複数のレビュー、口コミがあることは購入の意思決定に影響を与える大きな要素になるということです。

導入事例記事のつくりかた

お客様に依頼して承諾を得る

導入事例をつくったことがないし、どう進めればよいかわからないという方も多いかと思います。そのような場合は、まず、どのようなお客様のインタビューがあれば理想的かを考えてください。さらに、その中で特にサービスにご満足いただいている関係性の良いお客様のリスト作りをしましょう。
そして、順番に依頼していきます。企画の主旨、どのような目的で使うのか、どのような質問をする予定で、どのような内容になるのかなどを文書でまとめて依頼します。承諾を得ることができたら、スケジュールの調整をしましょう。
先程もご紹介したとおり、いきなりたくさんのお客様に依頼するよりもまずは親しいお客様に依頼をして、1つでも記事を完成させることを優先しましょう。そうすれば、ほかのお客様への参考資料としても提示できるので、導入事例取材の承諾を得やすくなります。

ストーリーとインタビューの質問項目の検討

インタビューに回答してくれるお客様が見つかったあとは、どのような質問をするかを考えます。質問を決める前に、まずは想定している読者のイメージと、どのようなことを伝えたいのかを考えましょう。読者のイメージがないまま質問を考えると、ディテールまで踏み込んでいない中身になってしまいます。
基本的には、取材させていただくお客様と同じようなお悩みや、課題を感じている会社が想定読者になります。さらに、業種や企業規模なども考慮の対象になるため、似た境遇にあるケーススタディのほうが読者としては引き込まれやすいです。

以下はよくある質問の例です。

  • 御社の事業内容を教えてください。また、担当されている業務範囲を教えてください。
  • 弊社を見つけていただいたきっかけを教えてください。
  • サービス導入前にどのような課題や悩みがありましたか。
  • サービスを導入するときにどのような基準で選定しましたか。弊社を選んでいただく決め手となった要因を教えてください。
  • サービスを導入されてみて、どのくらい効果がありましたか。 (効果測定できないサービスなどは「どう業務が変わりましたか」「お客様からどのような反応がありましたか」「従業員の皆さんからどのような反応がありましたか」など、サービスの内容にあわせて変更する。)
  • こうなるともっとよいなど、変更したい点や改善するべき点があれば教えてください。

サービスの内容や取材先のお客様の状況によって、質問は大きく変えることになります。あくまで参考にしてください。

インタビューの実施

いよいよインタビューの本番です。
以下の流れで進めます。

1.アイスブレイク
挨拶と取材を受け入れていただいたお礼をします。

2.主旨の説明
取材の主旨を説明します。話した内容がどのような形で利用されるかをきちんと伝えましょう。また、原稿ができ上がったら必ず一度確認してもらい、希望どおりに直したうえで掲載することも共有します。
お客様の了承をいただいて、会話を録音させてもらいます。また、写真撮影もします。

3.過去の事例の提示
過去に類似の取材をしたことがある場合、そのときの記事を印刷して持参し、見てもらうとよいでしょう。

4.質問と深堀り
当初用意してきた質問を中心に聞いていきます。
事前に用意した質問以外にも、より詳しく答えてもらうのための合いの手や、追加の質問をすることが大切です。
端的な回答に対しては、なぜ、どれくらい、どうやってなど、深掘りするための追加質問をしていきます。

たとえば、以下のように続けます。

Q. 弊社のサービスを選んでいただいた決め手は何ですか?
A. 品質です。
Q. ありがとうございます。どのようなところで発注前に品質が高そうだと判断していただけましたか。
A. ○○な点で良さそうだと思いました。
Q. 他社とはどのような基準で比較されましたか。
A. □□と実績です。
Q. 発注してみて、納品物の品質は想定どおりでしたか。
(以下十分に聞けるまで、似たように深掘りしていく)

5.取材のお礼をメールする
取材が終わった当日もしくは翌日にはお礼のメールをして、記事完成の見込みの期日を伝えます。

6.原稿の作成
インタビューを録音したものをただ書き起こすのではなく、読者がわかりやすいようにストーリー構成を変えます。

  • 伝える順番の入れかえ
  • 冗長になっている箇所の削除
  • わかりにくいところには補足説明を入れるか、書き換えをする
  • 重要なところを太字にする、文字色を変更する、マーカーを入れるなどして強調する

インタビューでお客様が回答したことと異なる内容を入れるのはNGですが、話している内容の意味を変えずにわかりやすい表現に直すのはOKです。

サービスの内容によっては、専門用語が多用されていて、わかりにくい表現になってしまうことがあります。想定読者は、導入済みのお客様よりも専門知識が少ないかもしれません。わからないところがあると読みにくい記事になってしまうため、なるべく専門用語を使わないものか、解説を入れるなどして、誰にでも読みやすい記事を目指しましょう

あと、記事のチェックは必ず2名以上で行うことをおすすめします。もし執筆者以外のチェックを入れられない場合には、書き終えた後に少し時間を置いてから、書いた原稿を読み直すようにしましょう。時間を置くと気が付かなった改善点が見つかりやすくなります。

7.お客様にご確認いただく
メールでお礼と一緒に完成した原稿をお送りし、お客様に確認していただきます。
基本的に要望のとおりに修正します。ご確認の依頼をするときには、何日までに回答がほしいと希望を伝えつつ、難しそうであれば何日に終わる予定かを教えてもらいます。

8.サイトに掲載
サイトに掲載するときには写真の配置や見出しのデザインを工夫して読みやすくします。SEOの観点から考えるなら、hタグ(見出し用のタグ)を設定するとよいでしょう。
自社のサイトに掲載が完了したら、お客様にお礼とURLの報告をします。

9.拡散させる
SNSや営業資料、メールマガジンなど、制作したコンテンツをさまざまなツールを使って拡散させます。会社パンフレットにも追加して印刷しておくと便利です。

10.次の依頼をする
定期的に更新しつづけることをおすすめします。受注後のフローのなかに組み入れて、すべてのお客様に事例掲載の依頼をするようにすれば、安定して作り続けられます。

お客様のメリットも考える

導入事例記事を制作するときには、取材にご協力いただくお客様のメリットも考えましょう。

記事を通じてサービスや会社の知名度を上げるのはもちろんですが、会話のなかでお客様の課題解決に繋がりそうなアドバイスをするといったこともできます。

また、お客様の現状の課題や、戦略をヒアリングさせてもらうことで、サービスの改良や新製品の開発をし、さらにお客様に貢献することができるようになるかもしれません。

効果測定

導入事例記事の追加前と追加後で、サイトの成約率(CVR)がどれくらい上昇したかをチェックしてみましょう。また、営業担当が導入事例の説明をしながらセールストークをしたときと、導入事例を使わなかったときの成約率の違いも確認できるポイントです。

まとめ

BtoBマーケティングをする上で、顧客導入事例の記事を作ることは、絶対にやったほうがよいといい切れるくらいおすすめです。一つも作ったことがない会社はいますぐ3~5つ程度の事例記事を作り始めてください。

以下は弊社のお客様にご協力いただいて作成した導入事例記事です。

ビーコンコミュニケーションズ様 コンテンツの追加で回遊率が上昇

アイアンドシー・クルーズ様 セッション数や見積依頼が増加